DAWに限りませんが、パソコンを使う作業の効率化、はじめの一歩はコピペです。
テキストでも画像でも、ファイルでもフォルダでも、なんでも寸分の狂いもなくコピーできます。
DAWでの音楽制作においても大活躍。
制作においてコピペを一度も使わないという人はほとんどいないと思います。
しかし、作曲や編曲においては、コピペが弊害になることもあるのです。
繰り返しますが、コピペは作業効率化が最大かつ唯一の目的です。
一方、作曲や編曲はクリエイティブな行為であり、芸術的なアプローチでもある。
作曲や編曲において、作業効率と芸術性のどちらを優先すべきか。
どちらも大切ですが、どちらかを選ばなければいけないのならば、やはり芸術性ですよね。
コピペはもちろん使って良いのです。
ただし、それによってもし芸術性がほんの少しでも失われるのならば、やはり時間や手間をかけるべきです。
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作曲に関して、初心者をそろそろ卒業かな、という方によく見られる傾向として、「DAW臭い」というものがあります。
DAWで作っているから、DAW臭いのは当たり前だと思うかも知れません。
実際に、臭いというワードを使いつつ悪いことばかりではありません。
ただ、DAW臭さの意味を理解していれば、その臭さはコントロールできるし、消すこともできます。
そして、DAW臭さの要因の一つがコピペです。
例えばドラム。
実際に同じようなフレーズを繰り返し叩くことが多い。小節ごとにフレーズが変わるドラムなんてほぼありません。
しかし、フレーズは同じでも、もしそれを人が叩いたら、全く同じになるはずがありません。
音量、タイミングなどが小数点以下の精度でそろうわけがないのです。
一流のスタジオミュージシャンですら、録音データを数値化したときに、全くおなじになることなんてありません。
ただ、普通に聞いておなじ「ように」聞こえるというレベルを常に出せる、というのがプロフェッショナルな所以です。
おなじ「ような」ドラムと、おなじドラムは似て非なるもの。
ここが人間臭さ、つまりDAW外のところです。
この人間臭さがあるから、人は生のLIVEを時間とお金をかけてでも見に行くのです。
数値化した正確さは、演奏技術、音質、その他どんなパラメーターでも自宅で聞く音源の方が上です。
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DAW臭いと自分で感じたら、コピペを使うところを徐々に減らしてみてください。
もっとも、DAWの機能には「ランダマイズ」「ヒューマナイズ」という機能も実装されており、人的なブレをわざと加えることもできます。
もちろんこういう機能を使ってみるのも一つの手です。