私が人生で最も影響を受けた本は、立花隆さんのこの本です。
読んだのは私が大学生のとき。
当時の私は、とにかくお金がなくて、それでも結構たのしくて、なんとなく学生生活を送っていました。
そんな自分には衝撃的な本でした。
人生のことなんてそれまで考えたこともなかったのに、本当に自分はこのままで良いのか、と毎晩考えるようになりました。
結局大学を出ても就職はせず、無職で開き直ることもできずに、消去法で海外渡航を決めます。
海外渡航は、この本に出てくる人がみんな海外に行くという経験をしていた、という理由もあります。
そのあたりから自分は自分の人生を歩んでいると意識し始めました。
日本という国は、人生のことなんてそんなに深く考えなくても不自由なく生きていけるので、それまでのなんとなくの人生で特に困ったこともありませんでした。
それでも悪いことではありませんが、自分で考え、自分で行動する方が「面白そう」と思いはじめたのです。
別に起業するとか世界一周に行くとか大げさなことである必要はありません。
ただ、自分で考えて行動したか。
それだけで私の人生は本当に良くなりました。
立花さんの本は、この本をきっかけにほとんどすべてを読んでいます。
世間ではロッキード事件で田中角栄を追い詰めた、ということで有名ですが、私が立花さんを知ったのは、立花さんの本を知ってずっと後です。
たくさん読みすぎて、どの本に書いてあったのか忘れましたが、まえがきに
「私は、人間とはなにか、人間はどうやって生まれどうやって生き、どうやって死んでいくのか、ということに興味があるのです」
といったことが書いてありました。
それを研究するために、医学から攻めるか、社会から攻めるかというのは大した違いではない、と書いてあったと思います。
だから、もちろん死についても長い間興味を持たれていて、脳死関連の本も多数あるし、臨死体験の本もあります。
◆
立花さんがなくなりました。
もし死後の世界があるとしたら、今頃「なるほど、死後はこうなるのか」と勉強していることでしょう。
本当に本当にたくさんのことを学ばせてもらいました。
立花さんの本に出会わなかったら、私は間違いなくここにいません。
ありがとうございます。