日々じゃーなる

日々の生活でおもったことをなんとなく、でも結構まじめに綴るブログです。 趣味は読書とビリヤード。仕事は音楽関係。

便利さとリスクの天秤

玉川徹氏、マイナンバーカード3万円分ポイント全否定「個人情報を政府が握る」/芸能/デイリースポーツ online

 

相変わらずインパクトのある言葉を使っていますが、私にはちょっと解せない部分があります。

 

「スケベ心を出すな」

とのことですが、なぜこれがスケベ心なんでしょうか。

 

国の思惑は、マイナンバーカード普及です。

明らかな思惑がわかっているのだから、スケベ心じゃないでしょう。

スケベ心って、こっそり気づかれないようにやる、といったニュアンスだと思うのですが、違うのでしょうか?

 

もしこれをスケベ心というのならば、毎年のように変わる税制はすべてスケベ心になりませんか?

エコカーを買わせたいから、エコカーを買った人の税金を安くする。

フリーランスでも働きやすいようにするために、基礎控除額をあげる。

これ、スケベ心なんですかね?

 

 

マイナンバーカード否定派の方たちの主な理由は、個人情報を国に掴まれるのがいやだ、というものです。

 

ただ、国がある程度管理していないと、コロナ禍でわかったように、給付金振込が大幅に遅れるし、業務が膨大になることも避けられません。

これは、どっちを取るかという選択です。

 

そりゃあ、金融機関の情報も含め、国に個人情報を与えるのは気持ちが良いものではありません。

 

ただそもそもの話、国家機関である国税庁は、国民の納税状況をすでに管理していますし、場合によっては個人の金融機関口座を閲覧する権限もあります。

やろうと思えば、今の状態でも個人情報はいくらでも国につかまれるのです。

医療だって年金だって、結局国は情報を持っています。

住所や家族構成だってもちろんです。

 

マイナンバーカードが普及するというのは、これら分散した個人情報に横串をいれて管理しやすくする、というもので、新たに個人情報を得る分野というのは正直少ない。

 

最も敏感にになるのは金融機関の口座情報だと思いますが、これに関しては現時点で、民間の金融機関はすべて把握しています。

だからこそ、サラリーマンの退職金が入るタイミングで、その資産額に応じた資産運用を口座保持者に勧めてくるのです。

 

民間の金融機関で働いている行員には資産状況をつかまれても抵抗がない。

でも、国家機関は嫌だ。

そんなにこの国は信用ならないんですかね?

 

もちろん、国を100%信用することはできません。

ただ、いろんな監視、制約があるなかでの業務、という意味では、それは民間の比ではないとおもいます。

比較の問題です。どっちが信用できるか。

 

民間の金融機関ですら信用ならない、という人だったら、もうタンス預金しかありませんが、そんなことやっている人ってどのくらいいるのでしょうか?

つまり、民間の金融機関は当然のように信頼しているのです。

不思議なものです。

 

 

私は、便利な世の中になってほしいと思っています。

便利というのは、つまるところ時間が節約できて自由に使える時間が増える、ということです。

わざわざ役所にいってやらなくてはいけない作業が、マイナンバーカードとネットを使ってスマホで瞬時に終わらせられる。

給付金申請から入金までがスムーズで、受給者も作業員も楽になる。

こういう状況になってほしいと思っているのです。

 

もちろん便利さにはリスクが必ず伴います。

便利な車が場合によっては凶器に変わるのと同じです。

それでも車がなくならないのは、私たちが便利さとリスクを天秤にかけて便利さをとっている人が多いからです。

 

インターネットは世界中の情報にアクセスできるという便利なものですが、世界中からアクセスされる危険性も常にあります。

それを危惧して、インターネットの使用をやめる人はどのくらいいますか?

 

マイナンバーカード普及によって得られる便利さとリスク。

天秤はどっちに傾くのでしょうか。

 

ちなみに、厳密に言えば私はマイナンバー「カード」には最終的に反対です。

デジタルデバイスの中にインストールできるようになるまでの過渡的な役割でしかないと思っています。