今年も、残りわずかになりましたね。
フリーランスにとっては、確定申告の足音が聞こえ始める時期です。
3月だからまだ大丈夫。
そう思っている人は、3月に例外なく焦ります。
確定申告ってなんでしょうか。
それは、所得税の計算と申告、納税のことを指します。
働いている人は、ほぼ全員に義務付けられています。
ただし、サラリーマンやOL、アルバイトなど雇われている人は、会社の人がやってくれます。
その代わり、年末調整があります。
年末調整は、会社の人が社員の確定申告をするのに必要な情報を提出するためにあります。
確定申告は、年末調整よりも随分面倒な作業で、それを会社の人がやってくれているわけなので、ぶつくさ言わずにちゃんとやりましょう。
さて、雇われではない人や、副業が結構ある人は、自分で確定申告をしなくてはいけません。
上では「面倒」と書きましたが、全体像を知っていたら難しくはありません。
繰り返しますが、確定申告は「所得税の計算」から始めます。
だから、所得税がどうやって計算されるのかを知っておかないといけません。
といっても、2次方程式よりずっとかんたんです。
所得税=(①収入-②経費-③控除)☓④所得税率
基本的にはこれだけです。
これさえ把握すれば、あとは記入(入力)するだけですね。
①収入
1年間の収入です。
気をつけなければいけないのは、収入は手取りではない、ということです。
つまり、振り込まれた金額を足したらだめ、ということですね。
手取りは、いろんなお金が差し引かれたあとの金額です。
差し引かれる前の数字を把握しましょう。
請求書、その他書類に内訳が載っていると思うので、それらを参照して計算します。
②経費
経費は、事業をするのにかかったお金です。
交通費だったり、消耗品を買ったりですね。
上の計算式をみてもらったら分かる通り、経費を多くすればするほど、所得税は安くなります。
残念ながら、誰もやってくれません。
だから、ちゃんと経費は自分で計算しましょう。
税金をいっぱい払いたい人は、別に構いませんけどね。
③控除
正直、控除というワードは税金関係でしか使ったことがありませんね。
もうちょっと易しいワードはないものなんでしょうか。
計算式をみてわかるように、経費と同じように収入から「差し引く」もので、控除があればあるほど、所得税は安くなります。
経費は、仕事のために使った金額は収入から差し引いて良い、というもの。
一方控除は、生活的事情を考慮して、収入から差し引いて良い、というものです。
生活的事情というのは、例えば妻(夫)がいて、養っているとか、年金や健康保険払ったとか、生命保険に入っているとかですね。
詳しくはここをご覧ください。
ちなみに、雇われている人が年末調整で記入しなくてはいけないのが、控除です。
控除以外は書く必要がありません。
なぜなら
- 収入:会社側は把握している
- 経費:雇われには無し(それに値する給与所得控除があり、収入に応じた固定金額)
- 所得税率:収入によって決まるので(後述)、これも会社側で割り出せる
ということになり、計算式の中で唯一、控除だけが会社にとってはわからないから、社員に提出してもらう必要があるわけです。
つまり、ちゃんと出さなかったら控除がなくなる=所得税が高くなる、ということですよ。
④所得税率
課税所得(=課税される所得金額)によって決まります。
課税所得というのは、上の式でいうカッコ内の金額(収入-経費-控除)です。
※ちなみに、課税所得ではなく「所得」というのは、控除を差し引いていない金額(収入-経費)を指します
これが、所得税率です。
「たくさん稼いでいる人は、税金で半分くらい持っていかれる」
といったことが囁かれることがありますが、課税所得が4000万以上だと45%の所得税率なので、半分くらいというのは当たっていますね。
◆
実際には、これとは別に住民税もあります。
また、国に払うお金は税金だけでなく、社会保険料もあります。
ただ、住民税は確定申告をしたら、自動的に計算されるので、申告の手間はありません。
社会保険料も、勝手に請求がくるので、申告の手間はありません。
ということで、フリーランスにとっての最大の雑務、確定申告をしっかり乗り切りましょう。