私たちが国に納めなくてはいけないお金をなんと言いますか?
答えは「税金」
これは正解ですが、これだけではありません。
これとは別に納めなくてはいけないお金があります。
社会保険料です。
社会保険料には色々あるんですが、全部書くとわかりにくくなるので、2つだけあげておきます。
年金と健康保険です。
年金も健康保険(料)も、国に納めなくてはいけないお金なのに、「税金」とは呼ばず、社会保険料、と呼ぶのです。
これが、わかりにくさを増している原因です。
国に払わなくてはいけないお金=税金
でまとめてくれればシンプルで良いですよね!
なぜ呼び方が違うのか。
それは、管轄しているのが
- 税金:財務省
- 社会保険料:厚生労働省
と分かれているからです。
つまり、国の方の都合です。
なんじゃそりゃ、ですよね。
さて、これによって具体的にどんな風に面倒になっているか。
働いてる人がもうけ(=所得)たら、その分の一部を税金として国に納めなくてはいけません。
この税金を所得税と言います。
この所得税を少しでも安くするために、
「社会保険料を払った分だけ、もうけを減らして計算して良いよ」
という仕組みがあります。
※これを社会保険料控除と言います
問題は、この計算を誰がするか、です。
なんと、国民自身がしなくてはいけません。
繰り返しますが、社会保険料も、税金と同じく国に払っているお金です。
だから、もうけを減らす計算だって国にはできるはずなんです。
でも、それはやってくれません。
なぜか。
上に書いたように、管轄しているところが違うからです。
たったそれだけのくだらない理由です。
厚生労働省(=社会保険料を管轄)には、私たちが納めた社会保険料のデータがあるので、そのデータを財務省(=税金を管轄)に渡してくれれば良い。
これを渡してくれない。
そんな仕組みがないんです。
むちゃくちゃですよね。
要するに、社会保険料を納めたAさんと、所得税をこれから納めるAさんが、同一人物であっても紐付かないんです。
なんともまあ面倒な話です。
ちなみに、これを解消する一つの手段が、マイナンバーです。
すべての省庁がマイナンバーのデータにアクセスでき、管理するようになれば、Aさんが社会保険料をいくら払ったかを、厚生労働省も財務省も把握できるんです。
まとめます。
国に払うお金と、それを管轄している機関は
- 税金:財務省
- 社会保険料:厚生労働省
そして、これが分かれているから、私たちは
「社会保険料をいくら払ったか」
を財務省に報告(確定申告、年末調整)しないといけない、という仕組みです。
※しなくても良いんですが、そしたら税金が高くなりますね
◆
確定申告がよくわからない人は、このあたりから理解していけばわかりやすくなるかもしれませんね。