今回は、実際の曲を聞きながら、小節数を数えてみましょう。
目次
お題は、髭男のPretender
髭男、人気ありますね。私も大好きです。
歌声も良いし、歌詞も良いし、曲も良い。
MVはこれです。
Official髭男dism - Pretender[Official Video]
知らない人はいないでしょう。
小節数を数えてみる
動画の秒数とセクションの関係を書いておきます。
- 0:00 イントロ
- 0:31 1A
- 1:08 1B
- 1:34 1サビ
- 2:15 間奏
今回は1番までを見ていきます。
各セクションの小節数は?
小節数を数えるのは、要するに手拍子です。
手拍子4回で1小節。前回書いたように
1,2,3,4,2,2,3,4・・・
と数えていくとわかりやすいかもしれません。
それで数えていくと・・・
- intro:4+4+4=12
- 1A:6+8=14
- 1B:8+2=10
- 1サビ:8+8=16
このようになっています。
キーナンバー4を考える
各セクションの小節数に足し算が用意されていますね。
これはメロディーが繰り返されれるなどを考えてこのように表記しています。
聞きながら数えるとわかると思います。
introと1サビはそれぞれ12、16小節、つまり4の倍数なので、やっぱりキーナンバーになってますね。
ところが、1Aと1Bは14,10小節で4の倍数ではありません。
で、小節数の中身をみると、赤字で書いた数字が4の倍数になっていないので、セクション全体の小節数も4の倍数になっていないのです。
1Aの6小節の意味は?
まず1Aの6小節。
これは8-2とみなしましょう。つまり8小節あるべきところから2小節削っている、とみなすのです。
そう思って聞いてみてください。
前のめりになって次にいっているような印象を受けませんか?
この感覚を大切にしてください。
なぜ8-2なのかを、理屈ではなく音楽で感じ取ってください。
1Bの2小節の意味は?
こちらの意味はどう思いますか?
これは解釈が分かれるところだと思いますが、狙っている効果は明確です。
サビ前の盛り上げです。
サビは曲でもっとも盛り上がるところですね。
だからメロディーにもコードにもアレンジにも力を入れます。
そして、さらにサビをよく聞かせるために、サビの導入部、つまりサビ前にしかけを仕込むのです。
そのしかけの一種に、小節数を変える、という手法があります。
それを使っているんですね。
ナチュラルサイクルとは
さて、実際の曲の小節数をみたら、ほとんど4の倍数、時々それ以外になっていますね。
4の倍数になって曲が進む状態をナチュラルサイクルと言います。
まさしく、自然な流れです。
ただ、曲というのは自然に流れるだけではなく、時々引っかかりやフックがあったほうが良いこともあります。
そうすることによって、ナチュラルサイクルの安定感をより感じられるのです。
変な喩えですが、病気になって普段の健康に感謝する、というのと同じですね。
自分の曲を作っていくときに、なんかベタだなぁ、と思ったとき。
メロやコードを再考するということもありますが、小節数を設定し直すというのも効果的です。
実際にサビ前に小節数を4の倍数でない小節数に変えている曲は多いです。
小節ではなく、1小節=4拍ではない拍子(変拍子)にしているものもあって、こちらはさらにインパクトがあります。
既存の曲でも多く採用されているので、探してみてください。
あとがき
曲を聞くときに、小節数で聞いたことなんてあんまりないと思いますが、曲を作るときには大切な要素なので、ぜひ手拍子しながら小節数を数えてみてください。
そのときに、4の倍数ではないところが出てきたら、なぜここはナチュラルサイクルになっていないのだろう、と考えてみるのは、自身が曲を作るときにとても役立ちますよ。