ミックス作業、今回はインサート最上段に挿すことの多いイコライザー(EQ、以下同)についてです。
目次
EQとは
EQは、周波数帯域ごとに、ブースト、カットをすることができるものです。
といってもなんのこっちゃ、という感じですよね。
周波数というのは、音の高さです。単位はHz(ヘルツ)。
人間の耳に聞こえる周波数(可聴周波数)は20Hzから20KHz(=20000Hz)と言われています。
実際になっている音に何の変化も加えずにならして心地よいのならば、EQはまったく触らなくて大丈夫です。
しかし、音というのは本来空気の振動が空間を伝わってきて、耳の鼓膜を揺らして、それが脳に伝わり音と感知されます。
しかし、これは生音の場合のみ。
アコギをならして実際に聞く音はこの音です。
パソコンで音楽を作る場合は、生音ではなく、スピーカーやヘッドホンから出た音を聞くわけです。
音の源(音源)から耳に届くまでの過程に、
<生音の場合>
音源
↓
耳
<DAWの場合>
音源
↓(楽器やマイクケーブル)
オーディオインターフェイス(ここでアナログからデジタルに変換)
↓(USBケーブル)
パソコン内でデジタル処理
↓(USBケーブル)
オーディオインターフェイス(ここで再びデジタルからアナログに変換)
↓
耳
となり、耳に届くまでにかなりの遠回りをしていることがわかります。
これで生音とまったく同じ音がなるわけがありません。
機器にもケーブル類にも特性があるので、それを補正するのは必然です。
それを担うのがEQです。
ちなみに、ブーストというのは大きくする、カットというのは小さくする、位の理解で大丈夫です。
EQのセオリー
この楽器にはこのEQ設定が良い、とかいうマニュアル的なものは基本ありません。
録音状況によっても違うし、楽器の特性によっても違います。
そんな中で、基本中の基本を2つだけあげます。
一つはローカット(HPF=ハイパスフィルター)。
重低音が聞いている音ってかっこいい、、、と思っている人も多いのですが、上にも書いたとおり、重低音を重低音と認識できているということはつまり、それは20Hzより高い音だということです。
ただ、実際に周波数を分析すると、20Hz以下の音も出ているのです。
この周辺の音は、不要、というよりむしろ邪魔です。
重低音を聞かせたいために、おいしいところをブーストしたいのならば、そこを際立たせるために、おいしいところの周りはカットします。
重低音の場合、それがローカットです。
映画館での音響で、爆発シーンなんかは低音が効いていて迫力ある音に聞こえると思いますが、あれも周波数分析すると、実はちゃんとローカットされています。
適切なローカットがなされているからこそ、迫力ある低音になっているのです。
もう一つは、基本的にカットで使用する、ということです。
上にも少し書きましたが、おいしいと思うところがあったら、そこをブーストするのではなく、その周りをカットする。
カットしたいところはもちろんカット。
なぜブーストではなくカットなのか。
それは、PEAKまでに余裕をもたせておきたいからです。
はい、意味がわかりませんね。
でもいまのところはスルーしましょう。
あとがき
EQのポイントは、ローカットと、ブーストではなくカット。
これだけでとりあえず大丈夫です。