とある私の友人夫婦が、飲食店を開こうとしています。
でも、私はやめたほうが良い、と強く思っているところです。
それは、成功する要因が少なすぎるからです。
飲食店経営は難易度が高く、3年以内の廃業率は70%、5年で80%以上といわれています。
どこまで正しいデータかわかりませんが、普通に考えて、参入障壁が低い分競争も激しくて、淘汰されやすいのうなずけます。
私は飲食店を経営したこともないし、経営できる要素も全然ありません。
ただ、巷の飲食店をみて、これだけは確信を持って言えます。
それは、味さえ良ければうまくいくわけではない、ということです。
飲食店にとって味は、もちろん最重要項目の一つ。
しかし、所詮数ある要素の中の一つでしかありません。
飲食に限らず、経営というのは総合店で競うとものだと思っています。
ただその業種によって、点数の重要度が違うだけではないか、と。
例えば、味一つだけが勝負であっても、その味が日本で五指に入るほど質のたかいものならば、なんとかなるかもしれない。
でも、そんな飲食店は、読んでの通りごくごく一部。
他には、飲食に限って言えば接客、立地、内装、外装などあらゆる要素がからんできます。
経営全般に広げると、広告、宣伝、企画力、税対策、それから人間力。
不確定要素である「運」も大きく左右します。
味に拘るのは最低限、他にどんな力があり、それが経営に役立つか。
これらで生き残るかどうかが決まると思うのです。
これだけ美味しいごはんが作れるなら大丈夫。
そんなあまっちょろいものじゃないでしょう。
友人夫妻の作る料理は、身びいき抜きにしても美味しい。
でも、それ以外の成功要因が絶望的に少ない。
友人夫妻には、小さな子供もいます。
日本で餓死することはないにしても、銀行からの融資で開業すると、マイナススタート、うまくいかないと人生が狂います。
独立起業ってもちろんすごいことです。
でも、雇用される方が向いている人もいます。
自分がどんなタイプなのか、欲とは別に冷静に考えてみたほうがよいのでは、と思ってしまうんですよね。