今回は、PANについてです
目次
PANとは
PANという用語も専門用語ですが、EQやコンプレッサーに比べればイメージしやすいと思います。
和訳は定位。ですね。
これがどういうパラメーターなのかは、普通の音源を聞いてもらえばわかります。
特にヘッドホンやイヤホンで聞くとわかりやすい。
市販のどんな曲でも良いので聞いてみましょう。
音に集中するために、目をつぶります。
そして、音から実際の演奏風景を想像してみてください。
よーく聞いたら、歌は正面から聞こえますが、その他の楽器は真ん中よりちょっと右とか、すごく左で演奏しているように聞こえませんか。
これは、LRからなる音量の配分を変えているのです。
なんでこんなことをするのか。
これもこれまでの流れで勘の良い人ならわかるかもしれません。
それは、実際の演奏はこんなふうに聞こえるはずだからです。
自分の前でバンドが演奏したとき、目をつぶって聞いても、演奏者がどの辺にいるのかわかるはずです。
それは、左右の耳に届く音量が違うからですね。
人の脳は、左右に届く音量差によって、発源がどこにあるのかを判断しているのです。
だから、左右まったく同じ音量なら、正面に、左右に寄っていたらそちらに寄っているように聞こえるのです。
PANを扱わなかったら
もしPANを全部真ん中にししたらどうなるでしょう。
上の説明通りに考えると、すべてのトラックのPANが真ん中にあるということは、全員が1箇所にかたまって音を同じ方向に向かって発している、ということりなります。
現実にこんなことは無理ですよね。
だからPANは必ず扱いましょう。
基本的なセッティングは、その楽器をどこで演奏しているように想定するか、で良いです。
歌はだいたい真ん中ですよね。
(ボーカルが真ん中にいないバンドってないでしょ?)
ギターやベース、ピアノは、曲によって、バンドに寄って配置が違うとおもうので、それに従います。
一番左にピアノ、その次にベース、ボーカルが真ん中でその右にコーラス、一番右にギター2本、といったようなことを自分で決めるのです。
PANとステレオのLRは違う
似たようなものに、ステレオのバランス(LR)がありますが、これはPANとは違います。
巷に出回っている音源はほとんどステレオですよね。
LとRからなる音が違います。
バランスは、Lからなっている音とRからなっている音のバランスを決めているだけです。
一方PANは、一つの音をLRからなる音量差を決めているのです。
あとがき
PANの設定に決まりはありませんが、扱わないというのはありえないので、ちゃんと処理しましょう。